紅茶の製法

紅茶がどのように作られるかご存知ですか?紅茶を作るには、幾つものステップをふまなければなりません。ただし、伝統的製法に様々な機械が導入されていますので、工程が短縮されたり、製法が変わったりしています。紅茶を選ぶ際にも関係がありますので、ぜひ知っておきましょう。

オーソドックス製法(伝統的製法)

摘採(てきさい)茶葉を摘み取る

1、摘採(てきさい)茶葉を摘み取る

通常、茶摘婦によって、茶枝の先端に生えている「一芯二葉(いっしんによう)」、「一芯三葉(いっしんさんよう)」と言われる新芽と上から2~3枚の若葉を一緒に手で摘み取ります。
1日、通常は10~20Kg、繁忙期では30~40Kgにも及ぶと言います。生葉(なまは)の収穫量に対し、約4分の1が仕上げ茶となります。

人工萎凋(いちょう)茶葉をしおらせる

2、人工萎凋(いちょう)茶葉をしおらせる

萎凋とは、しおらせるという意味です。生葉(なまは)に大型ファンを使って風を送り込み、水分を飛ばして、8~15時間かけて萎れた状態にします。生葉の77%ある水分を約半分にします。  かつては、ファンを使わず丘陵地や山中のもっとも風通しのよい場所に製茶工場をたて、萎凋をさせていたそうです。

揉捻(じゅうねん) 茶葉をもむ

3、揉捻(じゅうねん)茶葉をもむ

しおらせた茶葉を揉捻機で揉みながらよじり、細胞組織を破壊させて、茶汁をにじみ出させます。茶汁にある酸化酵素が空気中の酸素にふれ、酸化発酵がはじまります。酸化発酵は生葉の緑色を茶褐色に変色させていき徐々に紅茶色に近づいていきます。

ローターバン(揉切機)

4、ローターバン(揉切機)

茶葉を捻じ切る機械であるローターバンで揉んだ葉をさらに捻りながら細かく切り砕きます。

玉解き 篩い分け

5、玉解き 篩い分け

ふるいにかけて揉捻によって塊になった茶葉をほぐして冷まし、サイズを揃えていきます。

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酸化発酵 茶葉を発酵させる class=

6、酸化発酵 茶葉を発酵させる

揉捻した茶葉を醗酵室に運び、温度25~30℃、湿度90%の状態で30分~3時間ほど放置し、酸化発酵を促します。酸化発酵の過程で、ポリフェノールの一種であるティーポリフェノールが化学変化し、紅茶特有の香味を帯びていきます。

熱風乾燥 茶葉を乾燥させる

7、熱風乾燥 茶葉を乾燥させる

茶葉に82℃~115℃ほどの熱風を当て、乾燥させて酸化発酵を止めます。乾燥された茶葉は、荒茶(あらちゃ)と呼び、黒色、または赤みをおびた暗褐色になります。

等級区分 茶葉を等級で分ける

8、等級区分 茶葉を等級で分ける

篩い分け機にかけ葉のサイズ別に区分します。

CTC製法

CTCとは、Crush(破壊)、Tear(引き裂く)、Curl(粒状に丸めて整形)の頭文字をとったもので、これら3つの機能を一台の機械で処理します。CTC機を使うと出来上がりは粒状の荒茶が出来上がります。  従来は、揉捻機の後に使われ、酸化発酵、熱風乾燥を経て荒茶が作れていましたが、最近ではローターバン機と併用され、揉切から酸化発酵終了まで約1時間程度で出来上がります。  現在、インドのアッサム、ドアーズ両地域で普及したCTC製法は、ダージリンを除いた全インド、インドネシア、スリランカ中・低地、東アフリカ等、世界の全産地に広がっています。